大会長挨拶

 第26回大分県理学療法士学会は『理学療法に彩りを~Color your Physical Therapy~』というテーマで開催いたします。

 皆さんは今までどのような道を歩んできたでしょうか?理学療法士となり、症例への治療をどうすればよいのか、これからをどのように進めば良いか、将来の自分自身の姿をどう想像するか、様々なモヤモヤがあったかと思います。実際に私も理学療法士になりたての22年前はそうでした。そこで今回、そのようなモヤモヤした悩みを少しでも鮮やかに彩れるような学会になることを願って、このようなテーマを設けました。そして今回の学会テーマにふさわしい特別講演の講師として田中創先生をお招きし、「理学療法士のキャリアを彩る-これが私の歩んだ道-」と題しましてご講演いただきます。田中先生は若い時から学会発表等を積極的に行い、それを研究へとつなげ、今なお精力的に学術活動を継続されています。その中で、大学院を修了され所属施設の管理や所属団体の運営等様々な活動に取り組んでおられます。田中先生の現在に至るまでのキャリアは若手に限らず、経験を有した理学療法士にとっても非常に刺激的な内容です。この講演が皆さんの進むべき道を今一度見直す機会となることを期待しています。

 さて、理学療法士としてキャリアを積んでいくためには何が必要でしょうか?色々な要素があるかと思いますが、私はその一つに「症例検討」を挙げます。一症例を周りの人たちと深く議論していくことが理学療法士としての質の向上、研究、さらにはエビデンスに発展していきます。2022年度に日本理学療法士協会の生涯教育制度が改定されました。その内容には症例検討会が設けられています。

 そこで今回の学会を機に、今一度症例検討のあり方を考え直してみましょう。今回は名古屋学院大学の石垣智也先生に「症例検討を彩る」というテーマでご講演いただき、皆さんと症例検討を再考したいと思っています。症例を提示するのが若手ということではなく、中堅理学療法士が提示することも必要でしょうし、ベテラン理学療法士が上手くその場を展開するスキルも必要となるでしょう。経験を有する理学療法士がどのような知識を備え若手をサポートするか?若手と経験者がうまく融合することで、これからの理学療法はより鮮やかに彩られることでしょう。

 その他にも口述・ポスター発表はもちろん専門領域セミナーや学術部オリジナル企画等、参加者に関心を持っていただける企画を運営スタッフ一同準備しております。

 皆さんにとって、この学会が今後の理学療法の転機となることを祈念しております。

第26回 大分県理学療法士学会
大会長 井上 仁